キャンプ地の気温が少しでも違えば全く違ってくる服装。キャンプ道具選びより難しいのが服装選びじゃないでしょうか。さらに乾燥肌となると、素肌にユニクロのヒートテックは着られない…。乾燥肌の“ベストな冬装備”とは如何に。
今回は「乾燥肌のこどものキャンプ就寝時の服装」に重点を置いてお話ししたいと思います。キャンプとは無縁でも、こどもじゃなくても、乾燥肌じゃなくても冷えに悩む女子やおじさんも必見です。
どれぐらいの乾燥肌か?
お風呂上がりに毎日保湿クリームは欠かせない
別件で皮膚科に行ったのに、何気なく先生がこどもの肌に触れた時に表情が変わり、「これは保湿剤塗らないとアトピーになるよ」と大急ぎで保湿剤を出されたのが始まり。毎日どこかしら触っていましたが、そんなに乾燥してるなんてわたしは思ってなかったんです。
以来、毎日のお風呂上がりは全身べったべたにクリームを塗ってあげています。
サボるともれなく荒れ、痒くなる
今日はめんどくさいな、、という母の都合でサボってしまう日もあるんです。そうすると、部分的に赤くなって、荒れてしまうことがあります。痒みも強くなるようで、気づくと掻いてしまっています。
同じくらいの乾燥具合、もしくは未満の方でしたら、以下の話は参考になると思います。
肌に優しい暖かい冬キャンプインナーを探せ
ヒートテックに代わるあったかインナーとは
我が家は普段もユニクロのヒートテックのような化学繊維の機能素材は着せていません。乾燥肌でないわたしですら痒くて乾燥しすぎたので、家族揃って数年前にやめました。
ヒートテック無しで過ごしてるなんて信じられない…と驚く人が多いのも事実です。でも思い込みって結構あると思いますよ。忘れちゃってるでしょうけど、綿はあったかいです。
また、自発的に身体の熱を発しにくい体質の方も、天然素材の方が実は合っています。
化学繊維は天然繊維から生まれたもの
そもそもの話をすると、化学繊維の機能素材は天然繊維の持つ機能性をお手本にして作られた人工素材です。機能をプラスしたとしても、真似したものは本物を超えない。何事も。と常々そう思っているわたし。
そしていくら「あったかい」と書かれた生地でも自然物でない素材なので、肌と擦れることで傷つき、乾燥し、痒みが生まれる仕組みを知っている。ただ、化学繊維が悪と言っているのではなく、うちの子のように肌の弱い人には向かない、ということです。
比較的安価に手に入り、アウトドアに欠かせない速乾性や防風性に優れているのも化学繊維で作られた素材です。テントでも最近、TCという言葉はよく見かけますよね。化学繊維のT=ポリエステルと、天然繊維のC=コットンを掛け合わせたハイブリッドな素材です。そのおかげで、タープ下でも焚き火ができたりするのです。
着方、使い方によっては天然繊維以上の力を発揮するのが化学繊維なんです。
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綿以上の天然素材はあるのか?
綿もいいけど、もっといいものは?保湿クリーム漬けのこどもも、外の厳しい環境でしっかり寝られるインナーは?できれば嵩張らないもので。と、悩みに悩む中で見つけたのが、この素材でした。
「シルク100%」
シルクって、ネグリジェイメージですよね。実はそんなことないんです。
わたしの持っている太番手のローゲージの靴下なんて、全然セクシー感じないしナチュラルでとても可愛い。そして可愛いだけじゃなく“暖かさ”が格段に違います。ジェラピケのようにふわふわにしただけのものとは違います(毒)。
よく目にする〇〇ライクやフェイク〇〇は、「見た目や質感を本物に似せたよ♡」というものですので、機能性を重視した買い物であれば本物を買うべきです。ちなみにシルクに似せて作ったものは人造絹糸と呼ばれる「レーヨン」です。
シルクは複数のアミノ酸が集まったタンパク質の繊維で、皮膚と構造が似ているので肌への刺激が少ないんです。あと、わたしが一番注目したのは、「綿以上に吸湿性と放湿性に優れる」ということ。不快だなと感じる前に素材自らが調整してくれるので、特に温度調整の難しいキャンプ就寝時にピッタリだなと思ったんです!
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冬のキャンプパジャマはレイヤリングが重要
今回は冬キャンプの就寝時=パジャマについてお話しするので、レイヤリングの最大の特徴である“脱ぎ着できる”ということは重視しません。それでもレイヤリングが一番重要な理由は、肌を守る、保温する、防風するという「目的別に選ぶ」ことで持ち物をミニマルに完結させることができるからです。
前回書いたお座敷キャンプの敷物と同じですね。全てのものは「なんのために選ぶか」なのです。
インナーの目的は肌の保護
なんと言っても大切なのは、直接肌に触れる素材の選定です。インナーで膜が張れれば、それ以降に化学繊維を重ねられるからです。
というのも、極寒の冬キャンプは化学繊維の助けがないと寝られません。それぐらい寒くて厳しい!!なので、天然素材でのベース作りが乾燥肌にとっては本当に大切です。
今回テストしたボトムスインナーは、良さに気付いたシルク100%の冷えとり靴下の841のレギンス、トップスインナーは綿100%の無印良品の綿であったかインナーに決定。どうだったかは、また後半で。
フリースを重ねて保温性UP
天然素材で肌の膜を作った次は、肌への優しさは関係なく、身体から発する熱をより効果的に保温してくれる素材を選びます。それがフリースです。フリースは軽いのに暖かいのでこどもたちもお気に入り。
インナーにしたシルクレギンスはあえてツルツルのネグリジェ素材にしたので、フリースがまとわり付かなくて◎6歳も手助けなしで脱ぎ着出来ました。
我が家の冬キャンプパジャマはもう何年もTHE NORTH FACEのマイクロフリースです。一般的なフリースより繊維が細くて柔らかく、薄くて、伸縮性も高いです。そして静電ケア設計採用なので、乾燥していても静電気が起こらないところも◎。着替えの度に「ママ!髪が!」と怒る人…ここ数年、我が家には不在です。
静電気含め、着心地に少しでも嫌なところがあるともう二度と着てくれないので、わたしは脇目も振らずにこれを買い続けています。そしてサイズアウト時は単純に、同じものをサイズアップして買い直すだけと至ってシンプル。
時間も余るし、忙しいママたちにおすすめしたい買い方です。ノースはお揃いもできるからいいんだよね〜。
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防風素材のアウターも準備
パジャマに着替えた後も焚き火をしたりトイレに行ったりと、テントの外に出るんですよね。この服装ではスカスカで寒いので、風を通さない防風仕様のアウターを重ねます。
我が家は普段も着ているTHE NORTH FACEのアコンカグアフーディーと、mont-bellのサーマラップパンツを履かせています。ちなみにどちらも先ほど同様、サイズアップして買い足している殿堂入りアイテムです。
娘はフリースがワンピースなので、mont-bellのサーマラップパンツとリバーシブル エクセロフト レッグウォーマーを。もう150cm着用なので、大人用にしました。
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実際に寝てみた結果
シルクやばかった
マイナス8℃でも寒さもなく、毛布なしでも安心して熟睡できた大快挙。実は保湿クリームを塗らないで寝るとどうなるかも試していたんですが、全然カサついてないどころか全く痒くなかった様子。もれなく36歳も。タンパク質繊維、恐るべし。やったよ、大成功。
もったいないのでキャンプで使用していない間のシルクレギンスは、家のパジャマパンツに。家ではみんなこれ1枚で♪本当に暖かくて、軽くて、痒くなくて。軽度の乾燥肌ならクリームも一切不要でとにかく最っ高。毛布があると暑いと感じるのも、このレギンスを履いてからだなあ。
いつも選ぶパジャマに数千円上乗せしただけなのにキャンプではもちろん、家でも光熱費に関わるほどのパジャマスペックの向上。間違いなく、暮らしを兼ねるキャンプギア認定。
仕方なしに選んだトップスの綿インナーも、まあこのままでもいいかも。笑
来シーズンはまた一から選び直さなくても良さそうで、こういういい買い物ができると未来の買い物時間まで短縮できたような気がして、うれしい。人生は、有限。
最低気温マイナス8℃の山梨キャンプ服装まとめ
インナー | その上に着たパジャマ | アウター | ||
トップス | 無印良品 綿であったかインナー(長袖) | THE NORTH FACE マイクロフリース プルオーバー | THE NORTH FACE アコンカグアフーディー | |
ボトムス | 冷えとり靴下の841 シルクレギンス | THE NORTH FACE マイクロフリース パンツ | mont-bell サーマラップパンツ |
これをいつものタンクトップのシャツ・パンツ(綿100%)にプラスしました。アウターは先ほどの説明通り外に出る時用なので、寝る時は着ずに、それぞれのシュラフ(寝袋)の足元に詰めています。
また、インナーのトップスがシルクでなかったのは、楽天市場内にこどもの長袖タイプがなく、無印良品を見たら綿で良さそうなものがあったからです。綿がもともと持つ「吸湿発熱」を加工により高めたもので、わたしがシルクを探した時の発想と極似。婦人・紳士・こどもすべて790円と最高プライスで、買わない理由も見当たりませんでした。
無印良品の商品は、キャンプにも毎度持って行くほど愛しています。家で使わない日もないぐらい好きなんですよね〜。
余談が長すぎてしまいましたが、家で寝る時と同じような薄着パジャマで寝られたのは、ダウンシュラフ(寝袋)だからというのもあるかもしれません。ダウンシュラフは化繊シュラフと違って、厚着はかえってNG!できるだけ裸に近い状態でシュラフ(寝袋)に入る方が身体の熱がダウンに伝わって、より高い保温効果を発揮するんです〜。
せっかくいいダウンシュラフ買ったのに寒くて意味わかんない。と思ってる人は一度見直してみてください。
その他キャンプ装備はこちら
夜中も風速4mはあってスカート裾から風が吹き込んでました。翌朝の道路は凍っていた年末年始のキャンプでテストしました。
根本改善発想でベストインナーを見つけよう
子連れキャンプのパッキングって、ほんとあれこれ心配で毎度全然進まない。時間が進むにつれて“心配”と“念の為”も増えて、よし!と思った頃には着るものだけでとんでもない量になっていたり。
この時間が少しでも短縮できて、ママたちの脳内を少しでも単純化できればと、わたしが失敗を乗り越えて得たこの知識を、乾燥肌のこどもと冬キャンプに行きたいと頑張るみなさんと、共有したいなと思いました。
素材の知識は人生に役立ちまくりですので、少し覚えておくと便利です。楽しく冬キャンプして来てください♪
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